How-To 断薬

アシュトンマニュアル徹底要約!断薬に役立つ要点まとめ

      2016/06/19

アシュトンマニュアルとは、ベンゾジアゼピン系薬物の長期服用に関する問題と断薬方法についてまとめたマニュアルです。

1999年、アメリカではベンゾジアゼピン長期服用に関する問題が懸念されており、その要望に応えて「ヘザーアシュトン女史」によって執筆されました。

その後世界中で様々な言語に翻訳され、2012年に日本語にも翻訳版されています。

 

10年経った今でもバリバリ現役な素晴らしいマニュアルなのですが、「途中で読むのが嫌になった!」と完読を挫折してしまう方は少なくありません。

アシュトンマニュアルが長い

そこまで難解な内容なのか?というと、それは違います。

アシュトンマニュアルは専門家だけでなく一般人にも分かるように専門用語はほとんど使われずに書かれています。

問題はとにかくボリュームが膨大だということであり、あまりの長さに読み切れず挫折してしまう人が続出してしまっているのです。

 

そこでこのページでは、アシュトンマニュアルの要点をまとめてわかりやすく要約していこうと思います。

「ベンゾジアゼピンの知識」「ベンゾジアゼピンの作用」「ベンゾジアゼピンからの離脱方法」の3つの項目に分けてまとめます。

断薬するためには直接役に立たない「離脱症状の知識」に関する項目は省略しましたので、気になる方は原文をご覧ください。

ベンゾジアゼピンの知識

ベンゾジアゼピン系薬物にはかなりの種類があり、種類によって効果が違います。

薬によってどんな風に効果が変わってくるのか、ということを知ることは断薬するためにとても重要です。

断薬のために必要な知識として、「力価」と「排出速度」が薬によって違うということをご紹介します。

 

力価

力価とは薬の効果、効き目の強さのことです。

ベンゾジアゼピン系薬物間ではその比率が20倍になるものもあり、薬によって大きく効き目が違うことがわかります。

この薬ごとの力価はある程度数値化されていますが、専門家によって意見が分かれるところであり、本当に適切な数値というものは判明していません

また個人差も大きいと考えられており、自分独自の力価を調べる必要が出てくる可能性もあります。

力価はベンゾジアゼピン間を置き換える際に利用するので、断薬のために非常な重要です。

 

排出速度

排出速度とは薬が体外へ排出されるまでの時間を指します。

ベンゾジアゼピンでは、薬の血中濃度が半分に下がるまでの時間を指す「半減期」がよく指標として用いられます。

よく「半減期」=「薬の作用時間」と思われがちですが、それは適切ではなく、実際の作用時間は半減期より少し短いと考えるべきです。

力価と同じように排出速度(半減期)も薬によって大きな差があります。

短いもので2~5時間、長いもので20~100時間にもなります。

20時間を超える半減期の薬を服用すると昼間も眠くなってしまうのでは?と思うかもしれませんが、その心配はありません。

ゆっくりと薬が排出されるというだけであり、薬の効き目が違う訳ではないのです。

 

ベンゾジアゼピンの作用

一刻も早くベンゾジアゼピンから離脱方法を知りたいかと思いますが、まずは「薬がどのように作用し、身体に悪影響を与えるか」知っておくべきだとアシュトン女史は述べています。

ベンゾジアゼピンには抗不安作用や睡眠作用などがあり、効き目の即効性で適う薬剤は他にありません。

ベンゾジアゼピンの即効性

治療用に使われているだけはあり、時には大変有効な治療手段になり得ます。

治療のためにベンゾを用いることを全否定することはできませんが、その有効性は短期服用に限り認められます。

服用は2~4週間に限るべきであり、それ以上の長期服用は無意味、もしくは有害な効果しかもたらしません。

 

ベンゾジアゼピンの長期服用が推奨されないのには理由があります。

ベンゾは脳機能に様々な影響を及ぼし、その一環として鎮静作用が起こっているのです。

鎮静作用や睡眠作用だけなら歓迎できますが、脳機能全体に影響を及ぼしている以上、身体に及ぼされる作用は当然それだけではありません。

長期服用により様々な有害作用が引き起こされます。

 

ベンゾジアゼピンの有害作用

ベンゾの有害作用としては、集中力低下・めまい・記憶障害・過興奮・抑うつなどが考えられます。

どれも辛く、有害な作用ですが、それ以上に有害性が高い作用が「耐性の形成」です。

耐性の形成

耐性の形成と言えばなんとなくは分かると思いますが、段々と身体の求める薬の量が増えていってしまう作用のことです。

耐性の形成によって服用量が増えていき、依存につながります。

 

長期にわたって服用すれば耐性が形成され、服用量はどんどん増えていきますが、それで不安障害が回復に向かうわけではありません。

むしろ有害作用により不安障害を悪化させることさえあります。

継続してベンゾジアゼピンを服用することで年々不安障害は悪化し、不安障害の完治とは逆方向へ歩を進めることになってしまうのです。

ベンゾジアゼピンは不安障害・精神疾患の完治には役立たないことをしっかりと認識する必要があります。

そしてそれがベンゾジアゼピンの服用をやめるべき理由です。

 

ベンゾジアゼピンからの離脱方法

3つの心構え

①自信を持つべし

➁忍耐強くあるべし

③自分に合った方法をとるべし

 

用量の漸減について

ベンゾジアゼピン断薬の基本はゆっくりと用量を減らしていくことです。

突然の断薬は危険な症状を引き起こしてしまうリスクがあるため、誰しもがゆっくりと減らしていかなければなりません。

ゆっくりと用量を減らしていくことは、ベンゾジアゼピンの血中濃度をスムーズに低下させることにつながります。

血中濃度をスムーズに低下させることで断薬の離脱症状を最低限に抑えることが可能です。

 

ゆっくり減らしていかなければならないことが分かれば、次に気になるのは適切な断薬ペースですよね。

しかし適切なペースに関しては個人差が大きく、明確な答えは存在しないのです。

自分自身が断薬を管理し、適切なペースを見つけて進めていかなくてはなりません。

離脱を管理

このことは多くの医師も理解していないので、時に医師に抵抗する必要も出てくるでしょう。

 

明確な答えはありませんが、全く目安すら無いというわけではありません。

用量を減らすペースの目安は1~2週間で20分の1程度です。

期間にして数か月は要することになるでしょう。

苦痛が長引くのは嫌だと思うかもしれませんが、過去の成功者の多くはできるだけゆっくり進めた方が好ましいと述べています。

その方が結果的に苦痛が少なくて済むのです。

 

もう一つ漸減のポイントとして、常に前を見ることが重要です。

漸減をストップさせる分には問題ないですが、後戻りは避けるべきです。

常に前を向く心が断薬を成功に近づけます。

 

ベンゾジアゼピンの切り換え

断薬はゆっくりと進めていかなくてはいけませんが、短時間作用型の薬は血中濃度をスムーズに低下させることが非常に困難です。

ベンゾジアゼピンの切り替え

その場合、薬をジアゼパムのような長時間作用型のものに切り換えることが得策です。

置き換える際には注意するべきことがあります。

それは一度に置換する容量を服用一回分に限るべきだということです。

その理由は二つあります。

 

一つは力価に個人差があるためです。

上で述べた通り、力価の指標は正確でないため、置換によって服用量が多すぎたり少なすぎたりしてしまう可能性があります。

二つ目は薬によって作用特性が若干異なるということです。

同じベンゾジアゼピンでも若干効果が違うため、これまた想定した効果より高くなったり低くなったりしてしまう可能性があります。

この二つの不安要素は置換を服用一回分に止めることで回避することが可能です。

 

そして一番気になるのが切り換え先の薬は何が良いのかということですよね。

長時間作用型の薬である以外に一つポイントがあり、細かく分けられる薬であることが条件です。

細かく分けられないとゆっくり断薬を進めていくこともできないので当然だと言えるでしょう。

アシュトンマニュアルでは「ジアゼパム」(セルシン)という薬が最適だと紹介しています。

しかしこれは欧米での話であり、現代の日本では「ベンザリン」が最適だと考えられています。

セルシンも入手することは可能ですから、どちらか好きな方を選べばよいでしょう。

 

ベンゾジアゼピン離脱の心得

あなた自身に合ったスケジュールを組みましょう。

置換は一度に服用一回分に止めましょう。

離脱スケジュールは柔軟に更新しましょう。

後戻りはできるだけしないようにしましょう。

追加服用は避けましょう。

他の薬物で埋め合わせをしないようにしましょう。

最後の数ミリが難しく感じることがあるが、それは「薬を飲まないことに対する不安」が原因なので、思い切って一気に断薬しましょう。

充実した生活と幸せな毎日が一番重要なので、離脱に思いを込めすぎないようにしましょう。

 

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 - アシュトンマニュアル

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