90%挫折しない睡眠薬の減薬・断薬方法
「睡眠薬をやめようと思ったけど、全く眠れず、2週間で挫折してしまった」
「睡眠薬の服用をやめて1か月は我慢したけど、もう限界だ…」
「精神科医の指示通りに断薬を進めていたが、離脱症状が出て元の服用量まで戻してしまった」
そんな方も多いと思います。
「まるで三食のご飯のように飲んでいた薬がこんなに依存性の強いものだったとは…」とショックを受ける方も多いようです。
でもご安心ください。
依存が進んでしまっていたとしても、正しい方法で薬を減らせば、必ず断薬することができます。
結論から述べると、断薬を成功させるためには、ゆっくりと薬を減らしていくことが一番重要です。
「なんだそんなことか…」とがっかりしないでください。
多くの方は睡眠薬を断薬するためには、「必ず離脱症状(不眠や悪夢など)と闘わなくてはならない」と思ってしまっているようです。
ですが、実際はそんなことはなく、ゆっくり薬を減らしていくことでほとんど離脱症状を出さずに断薬を成功させることができます。
「ゆっくり断薬を進めたのに失敗したことがあるんですけど!」
そのような声がどこからか聞こえてきそうですね。
しかし、それはまだペースが早すぎたのです。
睡眠薬依存で悩む多くの方をはじめ、多くの医療関係者も「ゆっくり薬を減らしていく」を取り違えています。
普通の人はゆっくりと聞くと、一週間ごとに4分の1を減らすくらいのペースを想像するのではないでしょうか。
そのペースはまだまだ全然早過ぎです。
点数をつけるなら100点満点で30点です。
そして、減薬に理解がある医者でも、ニ週間に4分の1を減らすくらいのペースを提示することが多いようですが、それでも早過ぎます。
適切なペースは当人の依存状態によって変わってくるのですが、目安としては二週間ごとに10分の1~20分の1を減らす程度のペースになります。
ですから期間はそれ相応にかかります。
短い方で半年、長い方だと1年半ほどの期間を要することになるでしょう。
時間はかかりますが、自分に合ったペースさえ守れば80%以上の確率で断薬を成功させることができます。
しかし適切なペースで減薬を進めることは口で言うほど簡単ではありません。
道中様々な障壁にぶつかります。
そこでこのページでは、断薬を成功させるために適切なペースを維持する工夫を紹介していきます。
適切なペースで睡眠薬の断薬を進める3つの工夫
精神科医には頼らない
断薬を本気で成功させようと思うなら、精神科医に頼るべきではありません。
その理由は二つあります。
一つ目の理由は多くの精神科医は睡眠薬の断薬に関する知識を持ち合わせていないということ。
そしてもう一つは精神科医は患者の精神疾患を治す気がないということです。
一つ目の理由はそのままの意味です。
日本の精神科医の多くは薬を処方することには慣れていますが、断薬することに関しては素人さながらの知識しか持ち合わせていません。
なぜなら日本の精神科医は、薬を一生服用することを前提に処方しているからです。
「そんな馬鹿な」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これが日本精神医療の実態です。
そしてこれは二つ目の理由、「精神科医は患者の精神疾患を治す気が無い」にも繋がります。
精神科医は薬は処方すればするほど儲かります。
ですから断薬の手伝いは金づるを失う行為でしかありません。
彼らからすれば、患者が完治するかどうかなんて知ったことではないのです。
むしろ薬を服用して依存してくれる方が稼ぎになるので、患者の精神疾患を治そうとしません。
精神科医が信用ならないということは、実際に受診したことがある方には共感していただけると思います。
精神科を訪れると簡単な診察で当たり前のように睡眠薬や抗不安薬が処方され、それらの依存性に関する説明は一切なされません。
そして彼らは「精神疾患は薬を飲まなければ治らない」という決まり文句を言うのです。
そして依存性に気づき患者が「薬を減らしたい」と言うと、医者は露骨に嫌な顔をし、「まだ早い」などと言うでしょう。
もし断薬を嫌々ながら手伝ってくれたとしても、二週間で4分の1ずつ減らすといった早過ぎるペースを提示するはずです。
断薬を成功させるためには、精神科医を頼るわけにはいきません。
しかし断薬していく過程で薬だけは処方してもらう必要があります。
あなたの主治医はこちらの言う通りに睡眠薬を処方してくれるでしょうか?
もしそれができないなら、都合の良い医者を探す必要があります。
本来は断薬の知識を持ち合わせているスペシャリストを探すべきなのですが、日本の精神科医にそのような医者はほとんどいません。
ですから黙ってこちらの言う通りに薬を処方してくれる医者を探すのです。
都合の良い医者を探す方法としては、漢方治療をメインに掲げている病院を訪ねてみることをおすすめします。
なぜなら東洋医学に力を入れている医者は、睡眠薬の断薬に理解を示してくれることが多いからです。
また鍼治療や漢方は断薬の補助として有効であり、成功率を上げるために役立つかもしれません。
ただやはり東洋医学の医者も断薬に関する正しい知識を持っている可能性は非常に低いので、あくまで主体的に減薬を進めていく姿勢が大切です。
断薬のスケジュールを管理する
主体的に断薬を進めていくとなると、自分の管理は自分でしなくてはなりません。
あなたは自分を律し、理性的に断薬を進めていくことができるでしょうか?
もし少しでも不安があるなら、自分だけの断薬スケジュールを建てることをおすすめします。
スケジュールを建てるメリットは二つあります。
一つは日頃から達成感を感じられることで、「薬なしで眠る自信」をつけていくことができるというメリットです。
今月も減らせた!今月も減らせた!という積み重ねが断薬を成功させるためには非常に重要になります。
二つ目は焦りを抑制することができるというメリットです。
断薬に挑戦する方はいかんせん「一刻も早く薬なしで眠れるようになりたい!」という思いが強いものですから、ついつい焦ってしまいがちです。
「今週は調子良いし、ちょっとだけ断薬のペースを早めちゃおうかな!」という思考が失敗につながります。
スケジュールを建てると客観的に進捗を確認できるので、「いやいや、このままのペースで焦らずに進めよう」と自制することができようになるのです。
スケジュールの管理は何を使っても問題ありません。
ノートに表を作るもよし、カレンダーにメモをするもよし、スマホアプリを使うもよしです。
断薬のペースについては上でも述べましたが、二週間で10分の1~20分の1ずつ減らす程度が目安です。
最初は二週間で10分の1ずつ減らしてみて様子を見ることをおすすめします。
いきなり離脱症状が表れるようでしたらペースが早い証拠ですから、少しペースを落とします。
離脱症状が表れなければそのままのペースでGOです。
スケジュールの建て方はそこまで難しくありませんが、一つ注意点があります。
それは最初に決めたペースを厳守する必要はないということです。
直前の例でも述べた通り、離脱症状が出てきたら迷わずペースを落とします。
そのタイミングの服用量をキープし、減薬を停滞させてしまっても構いません。
段々と睡眠薬が効かなくなっていくように、服用量をキープしていれば段々と離脱症状も出なくなってくるのです。
離脱症状が出なくなってから減薬を再開させます。
ただし睡眠薬の服用量を戻してしまうことはNGです。
後戻りしてしまうと努力が無駄になってしまいますから、服用量をキープしてなんとか耐えぬきます。
またいくら調子が良くても断薬のペースを早めるのもNGです。
これは上でも述べましたが、断薬に焦りは禁物です。
ですから「そのまま」「ゆるめる」「停滞」の3つからペースを随時選択することになります。
「必ずしもペースを厳守する必要がない」というのはこういうことです。
少しでも離脱症状が表れたら、無理せずペースをゆるめるか停滞させるかのどちらかで対応します。
実際に断薬に成功した方のスケジュール
初期:40mg/日 服用
①2週間に2mgずつ減薬(総10週)
②残り20mg時点で離脱症状 20mg/日を維持(総2週)
③2週間に1mgずつ減薬(総20週) 完遂
総期間:32週(8か月)
睡眠薬を置換する
ここまでの文章で睡眠薬の断薬に関する内容の9割は解説し終えましたが、まだ小さな問題が残っています。
それは睡眠薬の種類によっては10分の1にまで細かく分けることができないという問題です。
例えばマイスリーは5mgの錠剤と10mgの錠剤しか販売されていないので(どちらも半分に割ることはできますが)、どうしても一度の減薬量が大きくなってしまいます。
ニ週間で10分の1~20分の1ずつ減らしていくのが断薬ペースの目安ですから、これは困りました。
何か良い方法はあるのでしょうか?
対応策としては、細かく分けることが可能な睡眠薬に置き換えるという方法が有効です。
5mgと10mgの錠剤しか用意されていない薬もあれば、1mgや2mgの錠剤が用意されている薬もあります。
細かく分けることができる薬を選ぶ、これが睡眠薬を置換する際の一つ目のポイントです。
実は置換する際にもう一つポイントがあります。
効き目が短い薬を断薬しようとすると薬の濃度の変動が大きく、離脱症状が生じやすくなります。
ですからできるだけ効き目が長い薬で断薬を進めていくべきなのです。
効き目が長い薬に置換することで断薬の成功率を上げることができます。
睡眠薬を置換するポイントは、「細かく分けることができる薬を選ぶ」「効き目が長い薬を選ぶ」の二つでした。
それでは具体的にどのように睡眠薬を置換していけばよいのでしょうか?
まずはこの表をご覧ください。
■メジャー睡眠薬の置換表
■追記
セルシン:等価容量10
メイラックス:等価容量3.32
レキソタン:等価容量5
現代の日本で処方されている睡眠薬を表にまとめました。
「消失半減期」とは血液中の薬の濃度が半分になるまでの時間のことであり、効果が持続する長さだと思ってもらって構いません。
そして置換するために重要なのが「等価容量」です。
「等価容量」は睡眠薬の容量に対する効き目を表した値であり、置換するための指標として活用します。
例えばアモバン:ルネスタは15:10ですので、アモバン15mgをルネスタ10mgに置き換えることができます。
ただこの等価容量は概算にすぎず個人間で異なりますので、過信することはできません。
置換する際には慎重を期す必要があります。
「等価容量では同じ値だったはずなのに、置換してみたら離脱症状が発症した」
こういうことがよくあります。
それを予防するためには一度に全て置換するのではなく、一部ずつ置換していくという方法が有効です。
例を挙げるとルネスタ10mgをソメリン10mgに置換するとして、まず最初の一週間でルネスタ5mgをソメリン5mgに置換します。
そして離脱症状が生じなければ次の一週間で残りのルネスタを置換するという形です。
さて置換方法に関する説明がやや長くなってしまいましたが、置換先の睡眠薬としてはベンザリンがおすすめです。
2mgの錠剤が販売されており、なおその錠剤は半分に割ることができるので、1mgずつ断薬していくことができます。
そして消失半減期が28時間と長く、離脱症状が生じにくい睡眠薬です。
「アシュトンマニュアル」という断薬の権威のようなマニュアルでは「セルシン」という薬を推奨しており、そちらでもOKです。
睡眠薬の置換方法をまとめます。
効き目が長く、細かく分けることができるベンザリンかセルシンに置換するのがおすすめです。
等価容量をしっかり確認して、効果の絶対量が変わらないように置換します。
等価容量が適切でない可能性があるので、一度に全て置換するのではなく、何週間かかけて一部ずつ置換する方法をとります。
無事置換し終わった後、スケジュールをしっかり組んで断薬をスタートさせます。
+α 睡眠サプリで断薬の成功率を上げる
適切なペースで断薬を進める3つの工夫をご紹介しました。
3つの工夫をしっかり意識して断薬に取り組めば、成功率は80%を超えるでしょう。
ここまでの文章で必要不可欠な要素については説明し終えましたが、+αとしてさらに成功率を上げる方法をご紹介します。
「3つの工夫」をしっかり意識していたにも関わらず、断薬に失敗してしまう方は必ず一定数います。
その原因は様々で、体質的に離脱症状が出やすかったり、薬の服用期間が本当に長かったりです。
断薬自体は順調に進んでいたが、絶対に失敗できない仕事や試験などのために仕方なく再服用してしまったというのもよくある失敗事例です。
そんな失敗例への対策として、睡眠サプリをおすすめします。
「断薬はしたいけど仕事に支障は絶対に出したくない」という方や「今回で確実に薬を断薬したい」という方向けです。
睡眠サプリを飲むことによってある程度離脱症状を抑え、寝つきと睡眠の質を良くすることができます。
ただし、睡眠サプリを飲んだからと言って、全く眠れない状態からいきなり7時間眠れるようになったり、3時間睡眠でバリバリ働けるようになったりすることはありません。
いいトコ「4時間睡眠が6時間睡眠になる」「6時間睡眠でバリバリ働けるようになる」くらいの効果でしょう。
「それだけ?」と思う方がいるかもしれませんが、適切なゆっくりペースで断薬していればそこまで酷い離脱症状は出ませんから、そのくらいのサポートでも嬉しいものです。
もちろん睡眠サプリは睡眠薬とは全く違うものなので、依存性はまったくありません。
それから一つ注意点があります。
睡眠サプリはあくまでサポートであり、飲んでいるからといって断薬を早めてよいわけではないということです。
睡眠サプリは万能アイテムではありません。
そこは取り違えないように注意したいところです。
睡眠サプリを中心とした栄養療法は、断薬治療の研究が進んでいるヨーロッパでも積極的に用いられており、効果が高く評価されています。
ヨーロッパならパンを売るように睡眠サプリが売られているのでしょうが、日本で買えるサプリはそう多くありません。
その中で快眠効果と評判を考慮すると、選択肢はかなり絞られます。
寝付けずに困っているという方には、北の大地の夢しずくがよく飲まれており、眠りが浅いことで悩んでいる方には、グッドナイト27000が人気です。
「断薬したい!でも絶対に仕事はやめたくない!」「もういい加減、今回で断薬を成功させたい!」という方は、試してみてはいかがでしょうか。
是非こちらのページも参考にしてください。
日本の精神医療もすぐ薬を処方するのではなく、このサプリを処方するような治療が主体になっていかないでしょうか。
間違った日本の精神医療の実態が一刻も早く改善することを祈っています。
睡眠薬の断薬まとめ
○精神科には頼らない
○断薬スケジュールを管理する
○睡眠薬を置換する
○睡眠サプリで成功率を挙げる
公開日:
最終更新日:2016/07/03