デパス断薬の離脱症状が続く期間は?乗り切るために重要なこと
「デパスの離脱症状がなかなか治まらない…」
先が見えない苦しみからデパスの断薬に挫折してしまう方はとても多いです。
このページでは、デパスの離脱症状はどのくらい続き、またどのくらい苦しいものなのか。
そして、離脱症状を乗り切るためにどんな工夫を施せば良いのかということをご紹介します。
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デパスの離脱症状が続く期間はどのくらい?
離脱症状が続く期間は本当に人それぞれです。
全く症状が出ないような人もいれば、3年、もしくは4年経っても離脱症状が完全には治まらないような人もいます。
離脱症状の有無や長さに関係するのは、主にそれまでに服用したデパスの用量と期間です。
用量に関しては規定がありますから、異常に多いということはあまりないと思います。
しかし、服用した期間に関しては、長い方だと10年、20年という方もいるでしょう。
そのような方だと、年単位の長さで離脱症状に苦しまされる確率が高いです。
もう少し具体的に例をご紹介します。
0.5mgデパス錠の一か月以内の服用なら、離脱症状が全く出ないことが多いようです。
逆に0.5mg錠の服用でも、1年、2年と服用を続けていると、数か月離脱症状が出ることも当たり前になってきます。
2mg錠の服用を一年続けた方は、断薬して2年でようやく、たいていの症状が治まってきたそうです。
デパスの離脱症状の経過
離脱症状が続く期間についてはご紹介しましたが、症状はずっと一定に現れるものではありません。
離脱症状がどのように経過していくのかを、具体例でご紹介します。
●短い離脱症状の例
一週間目:不眠がひどく、眠れたとしても悪夢を見て起きてしまう。吐き気もひどい。平均睡眠時間約2.5時間。
二週~四週:倦怠感に襲われ、気分の落ち込みも出てきた。不眠と吐き気は変わらない。平均睡眠時間約4時間。
五週~六週:不眠に改善が見られる。6時間ほど眠れるようになった。吐き気はほぼ完治したが、気分の落ち込みがまだ少し
ある。
七週:ほぼ全ての症状が完治した。
●長い離脱症状の例
一週間目:吐き気、耳鳴り、頭痛、味覚障害、不安、不眠など様々な症状に襲われる。平均睡眠時間約2時間。
二週~十週:どの症状も治まる気配はない。さらに抑うつ、幻覚、肩こりなどの症状も出てきた。平均睡眠時間約3.5時間。
十一週~二十週:耳鳴り、頭痛など一部の症状は治まってきたが、まだ完治はしていない。不眠は抑うつはそのまま。平均睡眠時間約4時間。
二十一週~三十週:耳鳴りと頭痛はそこまで気にならない程度に治まった。味覚障害は治った。吐き気、不眠にも改善が見れる。他の症状も治まってはきたが、依然完治には遠い。平均睡眠時間5.5時間。
三十一週~四十週:不眠、抑うつ、耳鳴り、頭痛、吐き気はほぼ治まった。ときどき不安の症状に襲われるが、ほぼ完治。
四十五週:ほぼ全ての症状が完治。
見るだけで心が折れてしまいそうな過程ですね。
この過程をたどっていく自信があなたにはあるでしょうか?
多くの人は無理だと答えるのではないかと思います。
しかし、誰もがこの苦しい離脱症状を我慢しなくてはならないわけではありません。
上のような酷い離脱症状は、多くの場合一気にデパスを断薬した場合に起こります。
ゆっくり断薬を進めれば、離脱症状を全く出さないで減薬を終えることも不可能ではありません。
一気に断薬してしまう方はとても多いですが、ゆっくり断薬を進めた方が圧倒的に効率が良いのです。
デパスをゆっくり断薬する方法
理想となるペースは、二週間に10分の1ずつ減らすか、それよりも少しゆっくりくらいです。
順調に進んで五か月ほどかかる計算ですが、このくらいゆっくり進めればほとんど離脱症状は出ません。
もし離脱症状が出てしまった場合の対応としては、減薬を一度中断し、その時点の服用量をキープして症状が治まるまで待ちましょう。
概要はこれで終わりなのですが、デパスを断薬する場合、ある問題があります。
一日に0.5mg~2mg(一~四錠)を服用している方が多いと思いますが、どの場合でも十分の一にまで細かく分けることができません。
そこで、セルシンという薬に置換することで対応します。
セルシンは同じベンゾジアゼピン系の薬で、細かく分けることができるうえ、離脱症状が出にくいという特性をもちます。
ベンザリンと並んでベンゾ系薬剤の置換によく使われる薬です。
注意点として、置換前と置換後で同じ用量を服用すれば良いわけではありません。
デパスの薬の強さを10とすると、セルシンは3です。
ですから、デパス3はセルシン10と置き換えることができます。
デパス1.5mgを服用しているのであれば、セルシン6mgに置換しましょう。
デパス2mgを服用しているのであれば、セルシン7mgに置換しましょう。
セルシン6mgも7mgも10分の1に分けることはできませんが、少しペースを遅らせて三週間に1mgずつ減らしていけば問題ありません。
医者に言われたことと違う?
上の方法を読んで「医者に言われたことと違うな…」と思っている方もいるのではないでしょうか。
多くの心療内科医や精神科医は、ここまでゆっくりと減薬するペースを推奨することはありません。
なぜなら、彼らは「離脱症状は出て当然のものであり、我慢するもの」だと思っているからです。
しかし、それは無知故の意見です。
多くの医者は離脱症状の真の苦しみと、ゆっくり減薬することの有効性を理解できていません。
彼らは薬を処方することには慣れていますが、減薬に関することは驚くほど知りません。
処方はすればするほど儲かるが、減薬はできてもほとんど儲からないという背景が影響しているのでしょう。
日本は欧米と比べてベンゾジアゼピンの危険性に対する理解が遅れています。
10年前ならまだしも、今でも「ベンゾジアゼピンは安全性が高い薬だ!」と堂々と主張するような医者がいるのは嘆かわしいことです。
日本でベンゾジアゼピンを断薬するなら、患者自身が主体的に情報を収集し、一人で減薬を進めていく必要があります。
離脱症状を緩和する+αの施策
ゆっくり断薬したからと言って、必ずデパスの断薬が成功するわけではありません。
特に5年以上服用し続けている方や、日中の仕事がハードな方が断薬を成功させることは簡単ではないでしょう。
予想以上に上手くいくので少しフライングしてしまい、一気に離脱症状に襲われて失敗してしまう。
どうしても重要なプレゼンがあって再服用してしまう。
ちょっとのことが挫折につながります。
そこで、さらに断薬の成功率を上げるために、+αの施策をご紹介します。
ゆっくり断薬することが全ての基本ですので、それを実行したうえで「さらに離脱症状を軽減したい!」と思っている方向けです。
生活習慣の改善
まず最初に挙げるのが、生活習慣、主に運動と食生活の改善です。
健康のために当たり前のことを改善すると、自律神経が調整され、神経の昂りを抑制することができます。
それは離脱症状の緩和に直結します。
ただ運動と言ってもいろいろありますが、ランニングやサイクリングといった有酸素運動が最も効果的です。
そこまでハードな運動はしたくないという方は、ウォーキングでも良いでしょう。
睡眠の改善に関しては難しいかもしれませんが、やれることはきっちりとやっておきたいものです。
寝具をより良いものに変える、バナナや味噌汁など睡眠の質を上げるものを食べる、夕方以降ブルーライトは極力浴びないなどの施策が考えられます。
漢方薬と睡眠サプリ
次に、漢方薬と睡眠サプリについてご紹介します。
漢方薬は自律神経を調整し、睡眠サプリは睡眠の質の向上と寝つきの促進効果が見込めます。
どちらも効果的な施策ですが、どちらか片方をおすすめするなら睡眠サプリです。
漢方薬は一月6000円~10000円と値が張りますが、サプリなら一月3000円程度で済みます。
漢方もサプリも人によって相性があるので、いろいろと試してみてもよいかもしれません。
漢方薬なら半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)や柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)。
睡眠サプリなら北の大地の夢しずくやグッドナイト27000がおすすめです。
漢方薬は内科や婦人科の他ドラッグストアで、睡眠サプリは主に通販で購入することができます。
睡眠サプリについて詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。