レキソタンを一人で断薬する方法
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レキソタンを一人で断薬した体験談
私の知り合いに、レキソタンを5年以上服用し、ついこの間断薬し終わったという方がいます。
一人で断薬するための具体的な施策の前に、彼がレキソタンを完全に抜くまでの簡単な体験談をご紹介します。
彼はレキソタンを服用し始めて3年経った頃、主治医に「断薬したい」という旨を伝えましたが、主治医は「精神疾患の根本的治療が優先」と繰り返すばかりだったそうです。
しかし、彼は自分の症状が薬が原因で悪化していることを実感していたので、セカンドオピニオンを受けました。
二人目の医師も最初は減薬に賛成しませんでしたが、「どうしても減薬したい」という彼の思いを受け、とりあえずやってみましょうということになります。
最初こそ上手くいきそうな気がしたそうですが、離脱症状が彼を襲い、結局挫折に追い込まれてしまいました。
それを受け、彼は医師に「どうして我慢できないんだ!」と怒られたそうです。
その後、彼は減薬を半ば諦め、薬を服用し続けて生活を送ります。
1年ほどそうして薬を服用し続けていましたが、ある日、ネット上でアシュトンマニュアルの存在を知ったといいます。
アシュトンマニュアルについて詳しいことは後述しますが、簡単に言えばベンゾジアゼピン系薬物の詳しい減薬方法について書かれているマニュアルです。
彼はそこからアシュトンマニュアルを参考にして、医者を頼らずに断薬し始めました。
そして、一年以上の期間を要しましたが、彼は無事、断薬を終えたということです。
もちろん、離脱症状も完全に治まっています。
彼にベンゾジアゼピンを断薬するうえで一番大切だと思うことを訊ねてみると、こう言っていました。
「医者に頼らず、主体的に情報を集めて減薬を進めることが一番重要」
断薬するために医者は頼れない?
上の体験談を読んでいただければ、私の主張は分かっていただけると思います。
レキソタンを断薬しようと思った場合、心療内科医や精神科医を頼るべきではありません。
上の体験談で出てくる医者のように、多くの心療内科医や精神科医は減薬に非協力的な態度をとります。
患者がどうしてもと言う場合に止めることはできませんが、その場合も有力なアドバイスはとても期待できません。
それでは、医者が患者の断薬に協力してくれないのは何故なのでしょうか?
これは実に単純なことで、彼らが減薬に関する知識を有していないからです。
日本の精神医療は、欧米に比べて遅れています。
欧米では何年も前に既にベンゾジアゼピン系薬物の危険性が周知の事実になっていますが、日本では処方している当人である医師さえも危険性を認識していません。
そんな現状があり、レキソタンを含めたベンゾ系薬物の断薬には、一人で取り組む必要があります。
ただ、詳しくは後述しますが、減薬のコツはゆっくりと服用量を減らしていくことなので、定期的に薬を処方してもらう必要はあります。
なかなかやっかいな話ですが、こちらの言う通りに薬を処方してくれる医者を探し、どうにか必要な分の薬だけは入手しなくてはなりません。
少しここまで長くなりましたが、ここからはレキソタンを一人で断薬するためのコツをご紹介します。
一人で断薬するために参考になる4つのもの
①アシュトンマニュアル
上の体験談でも出てきたアシュトンマニュアルは、一人で断薬しようとする際に非常に参考になるものです。
断薬のコツについてよく調べている方には、ご存じの方も多いでしょう。
アシュトンマニュアルは、ベンゾジアゼピン系薬物の断薬方法について、ヘザー=アシュトンという人がまとめたマニュアルです。
1999年に書かれたマニュアルですが、現代でも充分活用できるものであり、世界中でベンゾ断薬の指針として使われています。
アシュトンマニュアルは、断薬の基本的な指針について示しています。
最も重要なことはゆっくり服用量を減らしていくこと、そして必要があれば薬を置き換えることです。
これらのメリットと方法については後述します。
向けられる批判も多いマニュアルですが、その批判は仕事を奪われることを恐れる心療内科医や精神科医によるものがほとんどなので、気にする必要はありません。
公式サイトはこちら→http://www.benzo.org.uk/amisc/japan.pdf
関連記事→アシュトンマニュアル徹底要約!断薬に役立つ要点まとめ
→アシュトンマニュアルに信憑性はある?多くの批判が集まる理由
➁個人の断薬ブログ
レキソタン依存について悩んでいる方は、日本中にいます。
そのため、断薬に四苦八苦する体験を綴ったブログもたくさん存在します。
これらを見ることのメリットは、断薬のコツやテクニックについて学ぶことができるうえ、断薬の道のりを大まかに確認して、だいたいどのようなものなのか確認することができることです。
特に離脱症状を緩和する方法についての情報は、まとめている人が多いので、たくさんの有益な情報を得ることができるでしょう。
ただ、一つ注意点があります。
断薬ブログを書いている人のなかには「一気断薬」を行っている人が多いのですが、それを見習うことはおすすめできません。
離脱症状は個人差が大きいので、一気に薬を減らしても全く離脱症状が出ない人もいるのですが、それは稀な事例です。
「この人が大丈夫だったんなら私も!」という思考に陥らないようにしましょう。
レキソタン断薬ブログ→働きながら断薬
ベンゾ系断薬ブログのおすすめ→睡眠薬断薬ブログ4選 成功談から失敗談まで
③断薬.com
断薬.comは、主にベンゾ系薬物の断薬体験談が、掲示板のような方式で投稿されているサイトです。
ユーザー同士で励まし合ったり、減薬の方法について教え合ったりする環境ができあがっています。
薬剤ごとの体験談を検索することができるので、レキソタンの体験談もたくさん見つけることができます。
このホームページは、ある断薬体験者によって作られたものであり、医療関係者が一切携わらずに運営されています。
体験者による生の有益な情報を得ることができるのはもちろん、自分と同じように頑張っている人の存在は心の支えになってくれるでしょう。
ホームページはこちら→https://danyaku.com/report/?medicine_id=215
ちなみに、URLは断薬.comではなくdanyaku.comですのでご注意ください。
④ベンゾジアゼピン関連の書籍
断薬の方法やコツについてのみ扱っているような書籍は、私の知る限りありません。
ではどのような書籍が参考になるのかというと、ベンゾの危険性や日本の精神医療の実態の告発本に、断薬方法についてよく書かれています。
ただ、アシュトンマニュアルや断薬ブログに書いてあること以上に有益な情報を得ることはできないものと思ってください。
それらの書籍の多くが、アシュトンマニュアルを参考にして書いているからです。
ベンゾジアゼピンの危険性について再確認したい方におすすめです。
関連書籍→「うつに非ず」Amazonリンク
ゆっくり断薬することの重要性と方法
アシュトンマニュアルに「ゆっくり断薬することが一番重要である」ということが書かれていることは、既にご紹介しました。
しかしなぜ、一気に断薬してはいけないのでしょうか?
「多少離脱症状がきつくても、一気に断薬した方が結果的に楽に済むのでは?」と思うのは自然なことですよね。
ゆっくり断薬することの重要性とその方法についてご紹介します。
重要性
一気に断薬することの最大のデメリットは、「遷延性離脱症状」という後遺症のような症状を発症する確率が上がることです。
遷延性離脱症状は、ベンゾジアゼピン長期服用者の10~15%が発症すると言われていますが、一気に断薬することでその倍か3倍に確率が跳ね上がります。
これを発症すると、いつ治まるかわからない離脱症状としばらくの間、闘わなくてはなりません。
完全に治まるまで短くて半年、長くて3,4年はかかるでしょう。
その一方、ゆっくり断薬すれば、離脱症状が出る確率をぐっと下げることができます。
断薬中に発症する確率はもちろん、断薬後の後遺症が発症する確率も大幅に下がります。
ベンゾの断薬に成功した方の多くが、「断薬に成功するためには、離脱症状を我慢しないことが重要だ」と述べます。
断薬は離脱症状と闘うものではなく、離脱症状を避けるものだということです。
ゆっくり断薬すれば離脱症状はほとんど出ないので、仕事をしながら進めていくこともできます。
方法とコツ
方法については、なるべく簡潔にまとめます。
理想的な減薬のペースは、2週間に10分の1ずつ減らす程度のペースです。
基本的な方法についてはこの一行で終わるのですが、ひと手間を加えることで、断薬の成功率を上げることができます。
レキソタンは、やや即効性が強い薬です。
そのため、効果の振れ幅が少し大きく、離脱症状が出やすいという特徴をもちます。
この特徴は、断薬するうえで障害になりかねません。
そこで、薬を効果の振れ幅が小さいものと置き換えると、離脱症状を出にくくすることができます。
置き換え先として有力な薬は、セルシンです。
これは、アシュトンマニュアルでも紹介されている方法です。
レキソタンとセルシンの効果の強さの比率は、2:1です。
ですので、レキソタン1mgはセルシン2mgと置き換えることができます。
レキソタンは一日15mg~45mgを服用している方が多いと思いますが、15mgの服用ならセルシン30mgに。
45mgの服用ならセルシン90mgに置き換え可能です。
置き換えたが完了した後、二週間に10分の1ずつ減らすペースで減薬していきましょう。