ベンゾジアゼピン断薬後の後遺症はいつまで続く?リハビリとして有効なことは?
ベンゾジアゼピン系の薬物断薬後、後遺症のような症状が出ることがあります。
「遷延性離脱症状」という症状であり、我慢しても我慢しても治らないので、「永久に治らないのではないか?」と感じてしまうほどです。
この症状はいつまで続くものなのでしょうか?
また、有効な対策などはあるのでしょうか?
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後遺症(遷延性離脱症状)はいつまで続く?
遷延性離脱症状は、発症すると数か月~数年続きます。
発症すると長い闘いを強いられることになる症状であることがわかりますが、断薬後、この症状が現れるのは一部の方だけです。
発症するのは、ベンゾジアゼピン長期服用者の10~15%程度だといわれています。
ただし、急激なペースで断薬してしまっている方に関しては、発症する確率が跳ね上がることがわかっています。
事実、遷延性離脱症状に苦しんでいる方には、「高容量のベンゾを一気に断薬した」という方がとても多いです。
有効な対策は?
もし、ベンゾを一気に断薬、もしくはそれに近いペースで断薬してしまったのなら、離脱症状が数年にわたって続く可能性もあります。
なので、思い切って一度ベンゾジアゼピンを一度再服用し、ゆっくりと減らし直すことが得策です。
薬を再服用することに抵抗はあると思いますが、この方法をとったほうが多くの場合、苦痛が少なくて済みます。
減らすペースとしては、2週間に10分の1~20分の1くらいのペースが理想です。
減らしている途中で離脱症状が出てしまった場合、無理をせずに一度漸減をストップさせることも、遷延性離脱症状を出さないために有効です。
また、細かく分けられないタイプの薬を服用している場合は、違うタイプの薬に置き換える必要があります。
置き換え先としては、セルシンやベンザリンがおすすめです。
置換の方法の他、詳しい減薬方法に関しては、こちらのページをご覧ください。
後遺症(遷延性離脱症状)のリハビリとして有効なこと
「充分ゆっくり減らしたのに後遺症が出てしまった」
もしくは、「どうしても再服用はしたくない!」という方を対象に、リハビリとして有効な施策をご紹介します。
施策① 有酸素運動
ありきたりですが、とても有効な施策です。
ウォーキング、ランニング、自転車、水泳などが代表的ですね。
メリットは二つあり、最初の一つは血行を改善する効果があることです。
血行が良くなると自律神経が調整され、脳の神経が鎮静されます。
その結果、脳の神経の乱れが原因で起こっている離脱症状も緩和できます。
もう一つのメリットは、単純に気分が良くなるということです。
「ふざけているのか?」と言われそうですが、もう少し聞いてください。
離脱症状への対策として、「症状を忘れる」ことは非常に重要です。
症状を忘れて毎日を過ごしていると、精神的に良好な状態が続くので、治りが早くなります。
クオリティ・オブ・ライフを上げることが、遷延性離脱症状への最大の対策だといえるでしょう。
気晴らしは本当に馬鹿にできません。
施策➁ ヨガ・瞑想
ヨガや瞑想は医学的にストレスを解消する効果があると証明されており、抑うつへの有効な対策になり得ます。
ヨガ教室へ通ってしまえば手っ取り早いですが、瞑想なら充分家で行えますね。
肢を組んで目を閉じ、ゆっくりと数字を数えるという方法が代表的です。
その際鼻で吸って口で吐くことを意識し、かつ吸う時間と吐く時間を3:7くらいにすると効果が高まります。
瞑想は奥が深いので、書籍やネットで調べてみたり、自分で研究してみたりしても面白いかもしれません。
施策③ 頭の体操
よくあるパズルや脳トレ、クロスワードなど何でも構いません。
これは離脱症状としてよく現れる「認知障害」への対策として有効です。
前頭葉を活性化することで、認知能力の低下を防ぎます。
認知症への対策と同じです。
施策④ 趣味に没頭する
運動の施策と同じように、これも「症状を忘れる」ための施策です。
将棋や囲碁などのボードゲームに没頭すれば施策➁の効果も得られますし、運動を選べば施策①の効果も得られそうですね。
その他にも、ゲームでも漫画でもなんでも構いません。
とにかく自分が熱中できるもの(こと)であることが重要です。
施策⑤ 漢方薬を飲む
漢方薬に依存性は全くありませんから、その点はご安心ください。
漢方薬は西洋の薬と違い、「症状を治す」ためのものでなく、「心身の調子を整える」ためのものです。
不眠を治す代わりに強烈な後遺症を伴うベンゾジアゼピンとは真逆ですね。
漢方薬を飲むことで得られる効果は、有酸素運動の施策①とほぼ同じです。
自律神経を整え、離脱症状を緩和することができます。
やや値は張りますが、飲んで離脱に成功したと語る方は多く、効果は期待できます。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)や柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)がおすすめです。
内科や婦人科で処方してもらうのが普通ですが、ドラッグストアやコンビニで買うこともできます。
施策⑥ 睡眠サプリを飲む
睡眠サプリは睡眠薬とは全く違うもので、依存性は全くありません。
睡眠の質を上げたり、入眠を促したりする効果があるので、代表的な離脱症状である「不眠」への対策になります。
「でも、サプリっていう響きがなんか怪しい…」と思った方もいるのではないでしょうか?
それは私も常々感じており、日常的に実際に商品を買ったり使ったりして調べていますが、高いだけで効果がないような商品ばかりです。
しかし、ほんの少しですが「当たり」の睡眠サプリは存在し、それらに限れば漢方薬より効果が期待できます。
私が把握している当たりの睡眠サプリは北の大地の夢しずくとグッドナイト27000です。
大変有効な施策ですが、てきとうにGoogleで検索し、綺麗なデザインのサイトで衝動買いするようなことはおすすめできません。
さらに詳しく知りたい方は、こちらのページも参考にしてください。